彰国社

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福祉のまちづくり その思想と展開

障害当事者との共生に向けて

髙橋 儀平 著

A5・248頁

定価2,750円(本体2,500円+税)

ISBN:978-4-395-32132-2

2019年07月

日本では、1970年前後に展開された、障害者による生活圏をまちへと広げる運動の積み重ねが行政を動かし、それが各地域の条例づくり、法制度の整備へとつながる。
本書は、障害者たちの運動に呼応しつつ、日本の建築・まちのユニバーサルデザインである福祉のまちづくり条例の方向を牽引して来た著者による、総括と今後の課題をまとめたもの。

[目次]
第1章 「福祉のまちづくり」を生みだしたもの
1 はじまり
2 1964パラリンピック東京大会とバリアフリー
3 福祉のまちづくりの胎動
4 仙台で起きたこと
5 海外から学ぶこと
6 特別なデザインではないユニバーサルデザインの登場
7 災害と福祉のまちづくり
8 活動と研究へのアプローチ

第2章 福祉のまちづくりの歴史と展開
1 障害当事者による街づくりへの一歩
2 ある脳性まひ者との出会い
3 仙台の福祉のまちづくりの証言
4 障害者問題の研究にかかわり始める
5 スウェーデンでみたノーマライゼーション

第3章 バリアフリー法への展開と課題
1 福祉環境整備要綱から福祉のまちづくり条例への動き
2 国際障害者年前後とその後の関連法制度の展開
3 ハートビル法成立の背景
4 バリアフリー法の展開が問いただすもの

第4章 いま、改めて問うユニバーサルデザイン
1 ユニバーサルデザインの前史
2 ロン・メイスの出発点
3 アクセシブル・ハウジングとアダプタブル・ハウジング
4 ユニバーサルデザインの7原則
5 日本におけるユニバーサルデザインの展開と特徴
6 ユニバーサルデザインの今後の課題

第5章 当事者参加、住民参加の理念と建設プロセス
1 ユニバーサルデザインの取組みから見えてきたこと
2 さいたま新都心計画とバリアフリー都市宣言
3 住民と行政の協働によるユニバーサルデザイン(沼津健康福祉プラザ)
4 多様な使い手の利用に配慮したトイレの展開(イオン東久留米店)
〈コラム〉公共トイレの多様な使いやすさの研究と実践
〈コラム〉名古屋城木造復元問題

第6章 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会とユニバーサルデザイン
1 東京オリンピック・パラリンピックに向けたバリアフリー整備課題
2 ユニバーサルデザイン2020行動計画が目指したこと
3 IPCアクセシビリティ・ガイドの理念と目標
4 新国立競技場のユニバーサルデザイン
〈コラム〉2016年5月基本設計のワークショップを振り返って
〈コラム〉2008北京オリンピックレガシーとバリアフリー環境整備

第7章 福祉のまちづくりのこれからのかたち インクルーシブ社会の創造へ
1 バリアフリー法の改正と福祉のまちづくり
2 日本型インクルーシブ社会をどうつくるか
3 設計者・建築家の役割
4 市民・当事者の役割
〈コラム〉韓国のバリアフリー法改正と当事者参加によるバリアフリー検査

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