3・11は、まだまだ終わらない。なぜなら、いまなお、人の最適な環境再生は、建築と土木の縦割り行政に阻まれ、ブラックアウトなどのエネルギー基盤の脆弱性は解消されていないからだ。本書は、大学を拠点に、復興プロジェクト提案などを積み上げた著者らによる、こうした矛盾に果敢に挑んだ記録。防災プロジェククトの先に、新たな社会の姿を描く。

［目次］
第一章　挑戦のはじまり
　復興支援前夜
　復興支援の活動
　復興支援の方法
　復興支援の評価

第二章　復興の理念
　復興構想会議と七原則
　「建築」と「土木」の多元的融合ステージの構築と活動
　多元的融合における土木との人的ネットワーク

第三章　第一の挑戦　「かわす」まちづくり
　厳島海上社殿と復興計画
　宮古市田老地区復興計画
　気仙沼市魚町・南町内湾地区の復興まちづくりコンペ
　千葉県旭市復興まちづくりコンペ
　高知県防災都市構想

第四章　第二の挑戦　再生エネルギー
　宮古市田老地区の太陽エネルギー都市
　福島県富岡町まちづくり
　太陽エネルギーのデザインをさぐる
　太陽エネルギーデザインの類例化

第五章　第三の挑戦　水上機
　東日本大震災復興水上飛行機ネットワーク構想
　水上機復活
　水上機を世界にさぐる
　東日本被災地から地方創生ネットワーク構想へ

第六章　復興プロジェクトの検証
　まちづくりの復興プロジェクト
　再生エネルギーのプロジェクト
　水上機のプロジェクト

図版出典・参考文献

おわりに　祈りの空間──風化から未来へ