書評紹介

世界遺産 フランダースのベギナージュ 甦る中世のミニチュア都市

田原幸夫著



日刊建設通信新聞 2003年2月19日 紙面より

読書
時を刻み住みつがれる本物の街
 ベギナージュとは,ベギンと呼ばれる「半俗の修道女」たちが暮らした街だ。中世,北ヨーロッパ一帯に分布したベギナージュも,今ではベルギーのフランダース地方に残るだけとなった。1998年,ユネスコの世界遺産に登録されたルーヴァンの「グラン・ベギナージュ」は,当時の街並みを残しつつも,修復,保存,再生によって現代の都市機能が整備され生き続けている。
 本書は,再生されたグラン・ベギナージュの歴史や街並みを紹介するとともに,世界遺産の理念や歴史的な街並み保存の手法の規範となる「ヴェニス憲章」の精神をわかりやすく解説している。
 私たちが暮らす「都市」には,ものが溢れている。その営みのなかでいつまでも大切に残していけるものはどれだけあるか。長い時間をかけて住みつがれることで,街は「本物」になる。そうした街づくりの素晴らしさと難しさを読みとれる。
  2,200円(税別)。彰国社(東京都新宿区坂町25・電話03-3359-3231)。 



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