書評紹介
宮脇 檀 旅の手帖
宮脇 彩 編
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サライ 2008年8号
宿泊したホテルの実測図など建築家が残した旅のスケッチ集
建築家・随筆家として活躍した宮脇檀(まゆみ)。平成10年に亡くなるが、生前、旅に持参していた手帖のうち、最後に残された3冊を原寸大で収録したのが本書だ。
圧巻なのは、宿泊したホテルの実測図。投宿するとすぐに巻き尺で実測し、備品などを細かく描き込むのが習慣だった。ベッドや家具の配置、バスタブの大きさなどから、
設計者の意図ばかりか経営方針まで見えてくるという。世界各国のホテルから日本のビジネスホテルまで、すべて50分の1の縮尺なので、その差も歴然だ。
寸暇を惜しんでスケッチする様子を、周囲は《宮脇は止まったら死んでしまう高速回遊魚のようだ》と評した。建築家として、また旅の達人として人生を疾走した姿が本書に凝縮されている。(住)