彰国社

検索

環境工学教科書 第三版

環境工学教科書研究会 編著

B5・224頁

定価3,850円(本体3,500円+税)

ISBN:978-4-395-32146-9

2020年02月

本書は、環境工学の基本的な知識にとどまらず、建築および建築環境を創造することになる建築系の学生に、ものの見方や考え方を身につけてもらうことを目的にまとめられたものである。このたび、第三版では、「持続可能社会」への移行という命題が社会に深く広まり、環境評価手法がより精緻に整備されたことなどを踏まえ、本文の見直しを行った。

[主な目次]
Ⅰ 総論・建築環境
1 風土と暮らしと建築環境 日本の風土/風土と住居/気温と暖冷房による消費エネルギー/気温と湿度の年変化/気象の観測と気象のデータ/パッシブデザインの概要
2 建築環境制御と建築部位 建物の性能/建物性能確保のための環境制御目標/物理環境制御の原則/物理環境の制御法/建物部材と環境制御
3 人間の生理・心理と建築環境 人間と環境/人間の心と身体/保健と快適/環境の分類/感覚/複合環境の影響/社会環境と人間
4 地球と都市と建築環境 室内環境と外界/地球環境と建築/都市環境と建築/環境共生建築・都市
5 地球環境問題を背景とした新たな課題 持続可能な建築とは/地球環境問題と建築分野の対応の経緯/建築分野での省エネ対策/総合的環境性能の向上を目指して/持続可能な開発目標(SDGs)に対応した課題
6 建築環境のシミュレーション 光環境シミュレーション/音環境シミュレーション/熱・空気環境シミュレーション/屋外・都市環境シミュレーション/建築環境の今後のシミュレーション

Ⅱ 熱環境
1 温度と熱移動 ポテンシャルと熱の流れ/熱移動の形態
2 室温と熱負荷 室内外の熱の出入りと室温/建物の熱特性と室温/間欠暖房と蓄熱負荷
3 断熱と気密と結露 結露/断熱性能向上の意義/断熱構法や使用建材に関する注意事項/高気密の意義
4 環境と人体との熱平衡 環境の物理的条件と人間/人体と環境との間の熱平衡(収支)式
5 温熱環境の計測 各環境条件の計測/総合的・複合的測定器
6 温熱環境と設計目標 人体の熱平衡と温熱環境の⚖要素/建築基準法およびビル管理法/温熱環境指標/快適温度/局所不快感/冷房・暖房
7 太陽の動き 太陽と日射/地球の動き,太陽の動き/建物の各面が受ける日射量の違い/太陽位置の求め方/太陽位置図/敷地における方位の計測方法
8 影と日照 日影曲線/日影図,日影時間図/建物形状による影のでき方の違い/終日日影,永久日影/日照の検討方法/南北隣棟間隔と日照時間
9 日射の利用と遮蔽 日射の強さ/日射の取得性能・遮蔽性能/日射の利用と遮蔽の工夫
10 太陽放射(日射)と地球放射 太陽放射/地球放射/相当外気温度/実効温度差

Ⅲ 光環境
1 照明の基本的考え方 視覚/照明の概念/明視条件の確保/演出の要素/照明に要求されるその他の重要な条件/照明設計の手順
2 昼光照明と電灯照明 照明の方法/光の振舞いを表現する方法/光源の性質/照明計算の方法
3 色彩計画の基本 色の表示/色の効果/色彩計画

Ⅳ 空気環境
1 室内の空気質(換気と通風の歴史) 換気とは/歴史から見た今後の換気研究の課題
2 汚染質濃度と換気 瞬時一様拡散/室内濃度と必要換気量/濃度測定による換気量の測定
3 換気と通風の力学 圧力の表示法/流れの基礎式/外部風および温度差による圧力/ダクト系の圧力損失と圧力分布/換気風量の計算法
4 室内気流と換気の効率 換気の効率とは/換気効率の表し方/測定方法/応用と測定例
5 室内の温度分布 室内に温度分布が生じる原因/温度分布と気流分布/良好な温度分布を実現するための工夫/温度分布を利用した省エネ空調/温度分布を予測する方法
6 換気の計画 換気計画の前提条件/換気計画の基本的な考え方/換気計画の実際
7 通風の計画 通風の目的/風の性状/建物周囲条件と通風量/通風時の室内気流分布/窓の配置と通風/通風と人工環境
8 気密性能と換気 気密性能とは/気密性能の表示/住宅における気密性能の測定例と既往の基準/気密性能に影響を及ぼす因子/気密性能と自然換気量
9 高層建物と煙突効果 煙突効果とは/煙突効果と圧力差/出入口からの外気の大量流入と対応策/煙突効果の利用
10 風環境 市街地に吹く適度な風─適温環境─ /強風による風環境障害/風環境の評価/強風対策

Ⅴ 音環境
1 快適な音環境の形成 音と人間,建築とのかかわり/良い音環境の基本/音環境形成にかかわる学問体系
2 物理音響学の基礎 音波/音波の記述/音波のエネルギー的取扱い/レベル表示
3 聴覚と音の生理・心理 耳の構造/音の心理的三属性/純音の等ラウドネス曲線/マスキング/カクテルパーティ効果
4 音の伝搬 距離減衰/音波の反射・屈折・回折/空気の音響吸収
5 室内音響学の基礎 音のエネルギーの反射・吸収・透過/室内の音場/残響
6 吸音と吸音材料 吸音機構の種類と特性/設計・施工上の注意
7 遮音と遮音材料 単層壁の遮音特性/二重壁の音響透過損失/総合透過損失
8 室内音響の計画と設計 基礎事項/室形状と内装計画
9 騒音の計測と評価 サウンドレベルメータ(騒音計) /SN 比/騒音レベルの測定方法/レベルレコーダ/周波数分析/室内騒音の許容値/騒音の環境基準
10 騒音対策 騒音対策の基本/配置計画と平面計画/床衝撃音/空気調和設備の騒音対策
11 建築音響計測と評価 無響室と残響室/音響透過損失の測定/吸音率の測定/残響時間の測定/空気音遮断性能と床衝撃音発生レベルの測定
12 振動の影響と計測評価 建築で扱う振動/人体の振動感覚器官/方向別振動感覚/国内外の規格/計測方法/評価方法
13 振動と固体音の防止技術 振動発生源/固体音/地盤振動伝搬特性/防振設計/防振材料
14 音環境の制御 可変吸音板・壁/残響付加装置/拡声装置/アクティブノイズコントロール

  • 新刊やイベントのお知らせ、現在編集中の企画、最新情報などをお届けしています。