彰国社

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トラップ 排水システムの歴史と役割

坂上 恭助 著

A5・224頁

定価2,750円(本体2,500円+税)

ISBN:978-4-395-32148-3

2020年03月

本書は、私たちの生活環境に重要な役割を果たしている排水トラップを紹介する。トイレの必要性と変遷、水洗便器の登場と変遷を探った上で、トラップの変遷を給排水システムと併せて辿り、トラップの先行研究、関連規定の変遷を紹介し、トラップ性能の研究成果をまとめ、今後の排水システムとトラップのあり方を提案する。

[目次]
Ⅰ トラップがなぜ登場したか
1.水使用と排泄
日常の水使用/排水には汚雑物が混入する/排泄の成分と頻度
2.水洗便器以前の排泄処理
汚くて臭い便所は屋外に/屋内で使えるポータブル便器/屋内便所を実現する3つの条件/水路に汚物を流す水流便所/水洗トイレ―便器を主体とした給排水システムのはじまり

Ⅱ 水洗便器から排水システムの成立へ
3.水洗便器の登場
産業革命までの上下水道/産業革命までの配管材料/トラップをつけた水洗便器―給排水システムのプロトタイプ
4.水洗便器の発展と上下水道
すさまじく発展した水洗便器―19世紀まで/コレラの脅威と上下水道の発展/低所得者向けの非水洗式アース便器/イギリス・アメリカが主導した水洗便器とバスルーム―20世紀初頭まで
5.排水システムの成立
イギリス・アメリカで確立した中低層建物の給排水設備/下水ガスをストップするトラップ/アメリカで展開した高層建物の給排水設備

Ⅲ トラップの変遷と設計基準
6.トラップの変遷
トラップの語源とルーツ/街路・敷地で下水ガスの悪臭を防ぐガリー/各種トラップの萌芽―19世紀後半/メカニカルトラップ百花繚乱―20世紀初頭/破封とトラップ構造・性能―アメリカでの管トラップ標準化
7.給排水設備基準のトラップ
NPC-最高峰基準/HASS 206・SHASE-S 206―NPCがテキスト/NPC・HASSにおけるわんトラップ・通気方式の扱いとHASS 218/設備基準―建築基準法/設備設計基準―官公庁施設設計/AIJES―拡張排水システムの基準 

Ⅳ トラップの泣き所と手当
8.トラップの種類と封水深・脚断面積比
現在採用されているトラップの種類と構造/封水深と脚断面積比
9.蒸発
蒸発速度/蒸発破封の防止
10.自己サイホン作用
自己サイホン作用に配慮すべき器具/サイホン現象の理論式/トラップ形状で自己サイホン作用を防止できる
11.誘導サイホン作用
管内圧力による封水損失・破封/排水立て管内圧力分布と許容排水流量/管内圧力変動による封水変動/トラップ性能試験法
12.封水変動のシミュレーション
自動振動のの運動方程式/封水の自由振動/封水変動の数値解析法

Ⅴ トラップと排水システムの今後は
13.封水のない自封トラップ
種類と構造/性能と機能
14.トラップ改良の方途
15.排水システムも改良できる―拡張排水システム

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