彰国社

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居住環境の人間尺度

人口尺度論【電子書籍版】

戸沼 幸市 著

B6・338頁

定価2,640円(本体2,400円+税)

ISBN:978-4-395-00132-3

2020年05月

人間は身体尺度を軸として、居住環境をつくり続けてきた。そのうえで、人間人体の集合である「人口」は、人間の居住環境の組立てに直接関与している。人間は絶えず一定の集団として現れ、居住環境は人口を枠付けし、社会集団として成り立たせる器であるが、逆に言えば人口の規模や密度が、居住環境の質に影響を及ぼす。人工世界の巨大や過密は、ときに非人間的で、人間尺度のみではつかめないが、「人口」を仔細にみることで居住環境の設定や維持に人間的規律があることが読みとれる。人口の社会的な尺度を本書は論じている。

[目次]
序章 巨大人数社会のジレンマ
1 人口四〇~六〇億人の地球国の王の話/2 大勢集まったのに孤独になった人間/3 総数の効き/4 人口増加は進化のメルクマールか

第一章 居住環境と社会的人間尺度としての人口尺度
1 人間の居住環境をいかに理解するか/2 社会的人間尺度としての人口尺度/3 人口尺の三つの要素―測点、目盛、最大幅/4 人口尺を軸とした居住環境の分類の試み

第二章 家族の人数
1 人類誕生もしくは男女の出現(〇から二人)/2 子供の数(〇から一〇人)/3 核家族(ニ・三・四・五人)/4 拡大家族(六~一五人)/5 親族のメンバーの数(一四〇人)/6 家族は人間的規模の原型/7 家族の人数からみた住居論

第三章 近所・近隣の人数
1 小人数が社会の実質/2 近所・近隣とは、それらは崩壊したか/3 近所・近隣の規模/4 近所・近隣の人数と手づくりのまちづくり

第四章 村と町の人数
1 人間的規模をもつ村と町/2 村落の規模/3 町の規模と町の圏域/4 村と町を含む新しい地域像

第五章 都市と人口
1 都市および都市圏の簡単な定義/2 都市規模の四段階(小都市、中都市、大都市そして巨大都市)/3 小都市(一万人~三万人~数万人まで)/4 中都市(十万人~三十万人)/5 大都市(三十万~百万人)/6 巨大都市(百万人以上~一千万人台へ)―東京市街地の拡大を例として―/7 東京債券―遷都のすすめ、巨大都市分割論など/8 都市圏の人口

第六章 日本の人口史
1 日本の人口二億人段階説/2 人口史の意味と区分/3 人口史の区分とその簡単な解説/4 二十一世紀の日本

第七章 国家大の人口
1 国々と人口との問題/2 国家の人口ランキング/3 適正規模もしくは人間的規模と国家の人口

第八章 地球大の人口
1 地球大人数社会の意味/2 地球の人口史/3 地球における人口分布、人口地理学的解説/4 地球コミュニティ

第九章 人口尺度は人間の居住環境を貫く均衡システムの軸
1 人口尺と対応させた人間の居住環境の分類表/2 人口尺度は人間の居住環境を貫く均衡システムの軸

あとがき

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