彰国社

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それでも、「木密」に住み続けたい!

路地裏で安全に暮らすための防災まちづくりの極意

後藤治・関澤愛・三浦卓也・村上正浩 著

四六・256頁

定価2,420円(本体2,200円+税)

ISBN:978-4-395-01213-8

2009年10月

防災面では特に課題が多いと指摘される木造密集市街地、いわゆる「木密」は、その一方で、木密ならではの懐かしい風情と親しい近所付き合いがある。木密の長所を生かした木密再生の処方箋を紹介。

[目次]
序章 住みつづけたい木密とはなに?
「木密」とは何か?/課題の多い木密、残したい木密/路地裏礼賛の光と影/木密の危険を知ったうえでよさを残そう

第一章 あなたも木密に住んでいる!木密で呑んでいる!
1 木密の魅力を知ろう
(1)木密のいろいろ/(2)住みつづけたい木密、呑みつづけたい木密
2 木密をめぐる制度、政策はどうなっているのか
(1)「負の遺産」と呼ばれる木密のいま/(2)密集市街地を改善する、国や自治体の取り組み/(3)災害対策でなじんだ風景が変わる/(4)木密のもう一つの課題とはなにか

第二章 木密の怖さを知ろう
1 木密の災害の歴史
(1)関東大震災では火災で大勢の人が亡くなった/(2)普段忘れている都市大火の危険/(3)現代の都市で起きた市街地大火
2 火災、地震時の被害を考える
(1)木造建物は燃えやすい/(2)木密は延焼しやすい/(3)地震で建物が倒壊する/(4)消防車が進入しにくい/(5)避難路が確保しにくい
3 木密にはほかにもこんな課題もある
(1)地域が高齢化している/(2)孤独死が増えている/(3)建替えが進まない/(4)住宅の耐震化が進まない/(5)安易なリフォームが進む/(6)悪い木密が再生産される/(7)地域の防災力が弱くなる

第三章 木密に安全に住みつづける手法
防災まちづくりの推進には即効薬も特効薬もありません――安全に向けて一歩踏み出せる手法を紹介します
1 まず、まちを見直す
(1)防災は、まちの魅力探しから/(2)まちを点検し、情報を共有する/(3)小さな目標を立て段階的に進める、仲間を集めみんなで進める
2 早く発見し、早く伝える
(1)警報機器の最新事情/(2)知っておこう、グループ通報の最新事情/(3)最新設備導入のコツ―設備をほかの用途にも役立てる/(4)現代に活きる「ローテク」通報/(5)火の見櫓を見直そう
3 力を合わせて早く火を消す
(1)初期消火の知識は必須/(2)ホースはどこまで届くかな/(3)自然の水を活かそう/(4)一人で使える「2号消火栓」/(5)「可搬消防ポンプ」を活用する/(6)「スタンドパイプ」を活用する/(7)狭い道も消防車用の道路です/(8)ちょっとした道路の改善
4 安全に避難する、火災に弱い隣人を助ける
(1)知る人ぞ知る「わがまちの避難路マップ」/(2)解消しよう、逃げられない袋小路/(3)あらゆる隙間を利用しないともったいない/(4)だれを助ける? どこから助ける?
5 家とまちを地震や火災に強くする
(1)住宅の耐震化は防災にも役立つ/(2)木造建物は自身に弱い?/(3)木造建物の一般的な耐震補強/(4)しなやかな伝統工法、地震に耐える在来工法/(5)特殊な補強や技術/(6)わが家の出火はわが家で対策/(7)木造建物でも火災に強くする工夫/(8)火災に耐える木造建物/(9)街区やまちの単位で延焼を防ぎます/(10)防災センターの設置
6 ご近所の底力でまちを守る
(1)もっと強くしたい「消防団」/(2)「自主防災組織」をつくろう/(3)防災訓練は効果的に行うべし/(4)防災まちづくりに取り組もう/(5)防災まちづくりに新たな視点を

第四章 木密に住みつづけるために行動を起こそう
(1)わがまちの「防災計画(アクションプラン)」をつくろう/(2)動き始めたい人のための支援リスト/(3)木密をめぐる法や制度はどうあるべきか/(4)木密に住みつづけるために――責任をもち取り組む住人、これを支援する行政

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