彰国社

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建築家による「日本」のディテール

モダニズムによる伝統構法の解釈と再現

青柳憲昌 著

A4・144頁

定価3,740円(本体3,400円+税)

ISBN:978-4-395-32196-4

2023年09月

戦後「日本的なもの」とは何かという問題について、建築家は伝統意匠の中から近現代にふさわしい表現を模索した。本書は丹下健三はじめ12人の建築家による28作品の伝統意匠の詳細な解釈と「ディテール」を、図面で読み解く。21世紀の今、再び「日本」は建築における主題となりつつあり、建築家の思索を辿ることは多くの示唆を与える。

[主な目次]
序論 いまなぜ「日本」のディテールなのか ー 近代日本の建築家たちによる構法の詩学
 
PART1 「近代」の日本化ー近代テクノロジ ー の地域化
01 建築の「レガシー」とは何か ー 丹下健三
02 RC造にふさわしい「伝統」とは何か ー 吉田五十八
03 テクニカル・アプローチを経由した「伝統」との邂逅 ー 前川國男
04 工業化の先にある「日本」の肌触り ー 吉阪隆正
05 伝統木造を「進化」させるーメタボリズムから「自在づくり」へ ー 菊竹清訓
06 プリミティヴィズムが表出する「日本」の根源 ー 篠原一男
07 構法的折衷による「空間の骨格」のディテール ー 林雅子
 
|Intermission| 伝統のエレメントを現代化するー床の間と木製建具のケーススタディ
 
PART2 「日本」の近代化──伝統構法の批判的合理化
08 戦後の「新興数寄屋」 ー 吉田五十八
09 復元主義者による現代数寄屋 ー 堀口捨己
10 「線」を減らして空間を抽象化する ー 清家清
11 新建材とディテールによる「レーモンド・スタイル」の成立 ー アントニン・レーモンド
12 民家のディテールを再編成する ー 吉村順三
13 篠原一男の「第1の様式」ー 象徴空間が湛える日本の「情感」 ー 篠原一男
14 鉄骨住宅の反省から伝統構法の批判的合理化へ ー 広瀬鎌二
 
終章 「伝統」と「近代」の架け橋 ー 一九五〇年代のディテールの現代性

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