
建築物の新給水給湯負荷算定法と実務設計
村川 三郎 編 /村川 三郎・池田 大輔・坂本 和彦・高田 宏 著 /秋田 成郎 プログラム監修
A4・294頁
定価6,600円(本体6,000円+税)
ISBN:978-4-395-32149-0
2020年04月
令和3年度(2021年度)第60回 空気調和・衛生工学会賞技術賞 受賞
本書は、長年に渡って建築物における水・湯の使われ方について詳細な調査を行い、膨大な基礎データを基に開発した給水給湯負荷算定プログラムを使用し、設計に活かせるよう解説したものである。建物の運用に応じた給水量の推定や、使用器具の特性に応じた給水量を算定することなどが可能になる。
[目次]
MSWC プログラムの活用にあたって
基礎篇
水の使用と給水給湯負荷算定の基礎知識
第1章 水の特性と水使用の要因
1.1 水使用の量的な用語 1.2 水の持つ特性と機能 1.3 水資源量と生活用水使用量 1.4 建築物の使用水量を規定する要因 1.5 非住宅建築物の使用水量原単位(分析対象データ/対象建物の特性/年間の上水使用量/上水使用量の原単位/建物規模と上水使用量原単位の関連/空調用補給水量/年間使用水量による設計用給水負荷の予測) 1.6 多元的要因を用いた使用水量の予測(集合住宅/非住宅建築物)
第2章 衛生器具の使われ方と適正器具数
2.1 生活行為と排泄行為 2.2 トイレ空間の環境計画 2.3 トイレにおける待ちと待ち意識・利用行動(施設利用と待ちの発生/待ち時間意識と利用行動) 2.4 衛生器具利用時の到着率と占有時間(到着率/占有時間) 2.5 適正器具数の算定(算定法の考え方と手順/待ち行列理論の応用/サービスレベルの設定/各算定法と評価尺度の比較/簡易法の提案)
第3章 水・湯の使われ方と使用量
3.1 使用水量の経時的変化 3.2 水と湯使用量の関連(対象建物の立地条件/立地条件が水・湯使用量に及ぼす影響) 3.3 器具操作による水・湯の使われ方(器具の開放率/器具操作による使用水量/湯の使われ方と使用量) 3.4 同時使用確率と瞬時給水負荷の算定(同時使用数の確率/瞬時給水負荷の算定法/確率的方法による瞬時給水負荷の算定)
第4章 衛生器具・機器類の特性と節水節湯の効果
4.1 給水給湯設備の節水・省エネルギー化(衛生器具の節水化の変遷/給湯設備の熱源と省エネルギー性能) 4.2 器具の同時使用による吐水流量の変動(実測による吐水流量の変動/実験による吐水流量の変動) 4.3 衛生器具の仕様による水・湯使用量の比較(設置建物と衛生器具の仕様/器具仕様による水・湯使用量の比較) 4.4 シャワーヘッドの散水特性と使用者評価(シャワーヘッドの吐水特性の評価/シャワーヘッドの吐水特性と使用感評価/シャワー浴の行為と使用感評価)
第5章 シミュレーションによる動的給水給湯負荷算定法
5.1 時系列的な給水給湯負荷算定法の意義 5.2 モンテカルロ・シミュレーションの適用 5.3 衛生器具と水・湯の使われ方モデルの作成(衛生器具と水・湯の使われ方/衛生器具と水・湯使用のモデル化) 5.4 給水給湯負荷算定の手順 5.5 試行時間・回数による収束性(器具の開放率と吐水時間分布による比較/試行回数による算定値の推移) 5.6 負荷算定モデルにかかわる要因(給水負荷算定モデルの設定/算定モデルの設定条件が負荷に及ぼす影響) 5.7 用途別とユニットモデルによる負荷算定法(用途別給水給湯負荷の算定)/ユニットによる給水給湯負荷の算定 5.8 瞬時最大流量の時間間隔のとり方(集合住宅の例/事務所ビルの例)
第6章 MSWC プログラムの構成と利用方法
6.1 算定プログラムの構成(演算ソフトの概要/プログラム構成上の特記事項) 6.2 算定条件の設定と算定方法(算定初期条件の設定/算定の手順) 6.3 算定結果の見方(給水負荷の算定結果/給湯負荷の算定結果/衛生器具の待ち状況の算定結果)
実践篇
各建物用途の算定モデルと算定例
第1章 集合住宅
1.1 使用水量・湯量の特徴(超高層集合住宅/単身・独身寮) 1.2 給水給湯負荷算定モデル 1.3 給水給湯負荷の算定(瞬時給水給湯負荷の算定/時間・日給水給湯負荷の算定)
第2章 事務所ビル
2.1 使用水量・湯量の特徴(人員密度と男女の構成/従業員の在席率の時間変化/各系統の使用水量・湯量/各系統の衛生器具の使われ方) 2.2 給水給湯負荷算定モデル(在席率モデル/トイレ系統における算定モデル/湯沸し室系統における算定モデル/食堂系統における算定モデル) 2.3 給水負荷の算定(対象建物の算定モデル/瞬時給水負荷/時間・日給水負荷) 2.4 在席率モデルが負荷算定に及ぼす影響
第3章 宿泊施設
3.1 使用水量・湯量の特徴(調査対象ホテルと宿泊者の特徴/使用水量・湯量) 3.2 シティホテルの給水給湯負荷の算定(用途別器具使用頻度の時間変化/設計レベル別算定モデル/給湯負荷の算定) 3.3 ビジネスホテルの給水給湯負荷の算定(給水給湯負荷算定モデル/給水給湯負荷の算定)
第4章 飲食店舗
4.1 使用水量・湯量の特徴(店舗特性と来客者数の関連/各店舗の使用水量/各店舗の使用湯量) 4.2 給水給湯負荷算定モデル(給水負荷算定モデル/給湯負荷算定モデル) 4.3 給水給湯負荷の算定(給水負荷の算定/給湯負荷の算定)
第5章 大規模厨房施設
5.1 使用水量・湯量の特徴(大学食堂/学校給食施設) 5.2 給水負荷の算定(給水負荷算定モデル/調理・洗浄系統の給水負荷の算定)
第6章 病院
6.1 使用水量・湯量の特徴(使用水量の月・日変化/使用水量の時間変化) 6.2 雑用水系統の給水負荷の算定(給水負荷算定モデル/給水負荷の算定)
第7章 高齢者福祉施設
7.1 使用水量・湯量の特徴(施設全体の使用水量・湯量/浴室における給湯量/厨房における給湯量/介護入浴における給湯量) 7.2 給水給湯負荷算定モデル 7.3 給水給湯負荷の算定(給水負荷の算定/給湯負荷の算定)
応用篇
算定モデル設定の応用と給水給湯システムの設計
第1章 BEMSデータを活用した動的給水負荷算定法の検証
1.1 BEMS データによる給水負荷の把握(対象建物の概要/用途別の全体使用水量/中水使用量の日・時間変化/上水使用量/社員食堂の日・時間変化) 1.2 給水負荷算定モデルの設定(中水系統の算定モデル/トイレ洗面・湯沸し室系統の算定モデル/厨房系統の算定モデル) 1.3 給水負荷算定結果とBEMS データの比較(中水系統/トイレ洗面・湯沸し室系統/厨房系統)
第2章 時間データを活用したユニットモデルと精度検証
2.1 建物ユニットモデルの設定と給水負荷の算定(建物ユニットモデル/建物ユニットモデルによる算定結果) 2.2 雑用水ユニットモデルの設定と給水負荷の算定(雑用水ユニットモデル/雑用水ユニットモデルによる算定結果) 2.3 規模別ユニットモデルの設定と給水負荷の算定(規模別雑用水ユニットモデル/規模別雑用水ユニットモデルによる算定結果) 2.4 瞬時給水負荷算定結果の精度検証(シミュレーション結果の精度検証/ユニットモデルの適用と精度検証)
第3章 節水節湯器具導入による給水給湯負荷算定モデルと負荷の算定
3.1 集合住宅(算定モデルの設定/瞬時給水給湯負荷の算定/時間・日給水給湯負荷の算定) 3.2 事務所ビル(算定モデルの設定/瞬時給水負荷の算定/時間・日最大給水負荷の算定) 3.3 シティホテル(算定モデルの設定/節水節湯器具導入による負荷低減効果/給水給湯負荷予測のための簡易線図)
第4章 給水方式と配管の計画設計
4.1 給水負荷の変動と給水ポンプの稼働(事務所ビルの給水負荷と給水ポンプ電力消費量/超高層集合住宅の給水負荷と給水ポンプ電力消費量) 4.2 給水方式およびポンプ選定による省エネルギー効果(事務所ビルのポンプ直送方式/超高層集合住宅のポンプ直送方式/水道直結増圧方式と他方式による省エネルギー効果の比較) 4.3 給水システム計画設計の考え方(瞬時給水量の単位時間のとらえ方/給水機器選定の留意点/配管径の選定)
第5章 中央式給湯システムの計画設計
5.1 給湯負荷変動と給湯方式の計画 5.2 モデル建物の設定と給湯負荷(モデル建物の設定/給湯負荷) 5.3 給湯システムの設計例(加熱能力・貯湯量の算定/給湯配管径の算定/循環ポンプの算定)
操作篇
第1章 MSWCプログラムにおける負荷算定モデルの設定と操作手順
1.1 負荷算定モデルの設定(算定モデル設定の基本的な考え方/器具占有から始まる算定モデルの設定/水・湯使用から始まる算定モデルの設定/ユニットによる算定モデルの設定) 1.2 プログラムの操作手順 1.3 算定結果
第2章 負荷算定結果に基づく給水システムの設計事例
2.1 給水負荷の算定(負荷算定モデルの設定/負荷算定結果) 2.2 給水システム設計事例(給水配管径の設定/直送ポンプの選定/アキュムレータ容量選定の考え方/受水槽の設定/ポンプ電力消費量の算定/節水型器具利用の効果) 2.3 適正ポンプシミュレータMSPSの活用(瞬時流量変動図の作成/MSPSプログラムの操作/瞬時流量変動図の検証)
資料
令和3年度(2021年度)第60回 空気調和・衛生工学会賞 技術賞を受賞しました。
詳細は空気調和・衛星工学会のホームページをご覧ください。
・令和3年度(2021年度)受賞実績のお知らせ
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