福祉施設は利用者はもとより、保護者にとっても介護や育児の負担を軽減する重要な役割をもっている。設計にあたってはユニバーサルデザインの視点と、利用者にとっては生活の場、地域の拠点といった、さまざまな面から配慮が求められる。質の高い提案をしてきた二井清治建築研究所の19事例を取り上げ、設計の手法を紹介するものである。

［目次］
はじめに　福祉施設の設計にあたって　―二井清治・二井るり子
本書で取り上げた事例の分類

１章｜福祉施設の事例
1｜ 障害者施設
｜解説｜障害者施設｜松田雄二
1-1 強度行動障害のある人のためのグループホーム／レジデンスなさはら｜1番館・2番館・3番館
1-2 利用者の特性に応じたフレキシブルな作業空間／ヤンググリーン
1-3 多様な障害をもつ人が地域とともに活動する拠点／里の風
1-4 重度障害から就労支援までの多機能な居場所を創造する／ぷれいすBe
1-5 重度重複障害者の日中活動を支援する／クローバー
1-6 障害者が働くカフェが地域にとけ込む／とうふく布施

2｜子どもの施設
｜解説｜子どもの施設｜山田あすか
2-1 障害特性や自立度に応じたゆるやかなユニット形式／豊里学園
2-2 入所児童の自立を後方から見守り支援する／はばたき
2-3 さまざまな障害特性をもつ子どものケアに対応する／こどもデイケアいずみ
2-4 光と色彩で感覚を刺激する児童デイサービス／まめべや
2-5 中庭とカフェによりユニット化の課題に応える／あおぞら
2-6 多様な居室構成で子どもの成長に対応する／生駒学園
2-7 本園と分園により小規模化・地域分散化を実現／奈佐原寮
2-8 0歳からの成長の段階に合わせて生活の場を設ける／和泉乳児院・和泉幼児院
2-9 分割建替えにより施設の小規模化・地域分散化を図る／すみれ乳児院
2-10 子育てを応援する院内保育所／菜の花保育所

3｜高齢者施設
｜解説｜高齢者施設｜三浦研
3-1 段階的な共用空間で生活の質を高める／清泉
3-2 複数の居場所で入居者の生活にゆとりをもたせる／いずみ池上の里
3-3 乳児から高齢者までの地域の福祉を担う／ふれ愛の館しおん
｜コラム｜福祉施設のこれまでとこれから｜大原一興

２章｜ ゾーンごとの計画のポイント
居室計画のポイント
トイレ計画のポイント
浴室計画のポイント
台所計画のポイント
カフェ計画のポイント
造作家具計画のポイント
建具・手すり計画のポイント
サイン計画のポイント
スヌーズレンルーム計画のポイント
設備計画のポイント
セキュリティ計画のポイント
ベランダ・バルコニー計画のポイント
外構・庭計画のポイント
環境計画のポイント

写真撮影者