
リスボン 災害からの都市再生
大橋竜太 著
四六・264頁
定価3,520円(本体3,200円+税)
ISBN:978-4-395-32186-5
2022年12月
1755年11月1日、ポルトガルの首都・リスボンを大地震が襲った。この大地震は、大航海時代の栄華からポルトガルが衰退する契機となったという否定的な見方だけでなく、この国の近代化を推進したと肯定的に評価されることもある。本書では、その都市復興プロセス、近代都市の理想に向けた試みなど、建築史または都市史的観点から考察していく。
[主な目次]
プロローグ
1 ポルトガルと首都リスボン
2 リスボン地震へのさまざまな視座
第1章 リスボン地震発生
1 厄難到来 /2 1755年11月1日/3 リスボンの地勢 /4 地震の広がり /5 津波の発生
第2章 リスボン市内
1 天変地異 /2 被害の三重奏 /3 リスボンの都市形成の過程/4 地震による建物の被害 /5 津波の到来とその被害/6 地震火災の猛威 /7 死傷者
第3章 失われたリスボン
1 リスボンの惨状 /2 文化遺産の喪失/3 教会堂の被害 /4 市民生活の麻痺
第4章 ポンバル侯と臨時政府
1 国王一家の11月1日 /2 宮廷高官たちの行動/3 ポンバル侯 /4 臨時政府
第5章 緊急施策
1 死者を葬り、生ける者へは食糧を!/2 ポンバル侯の書簡 /3 被災調査 /4 諸外国の対応
第6章 復興に向けて
1 ポンバル侯の課題 /2 理想の都市像/3 ポルトガル建築界 /4 ヴォーバネスク様式
第7章 都市再建計画の作成
1 第一段階(1755年12月4日) /2 第二段階(1756年2月16日)/3 第三段階(1756年3月31日) /4 都市計画の決定
第8章 再建の手法とその過程
1 再建のための行政手続き /2 都市建設の実施/3 法制度の原則 /4 リスボン再建法
第9章 ポンバリーノ建築
1 バイシャ・ポンバリーナ /2 建築規制/3 耐震対策 /4 防火対策 /5 プレファブ化と規格化/6 ポンバリーノ建築のデザイン・ソース
エピローグ
1 18世紀の計画都市として /2 手本としてのロンドン再建/3 建築史・都市史からみたリスボン再建
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