■特集　
壁面・斜面緑化の現在形
近年の建物緑化は、単に緑を植えるだけではなく、立体感を持たせてファサードやランドスケープをかたちづくり、積極的にデザインと絡めた方向へシフトしているように思われる。本特集では、最近多く試みられる壁面・斜面の緑化手法について、さまざまなバリエーションのディテールを広く紹介する。

［事例11作品］　
01 利用者を包み込む緑のダブルスキン
　東急大岡山駅上東急病院／東京急行電鉄，安田幸一研究室＋安田アトリエ，大建設計
02 都市の中の新しい道「クロスロード」と緑化ルーバー
　長崎市立図書館／三菱地所設計・安井建築設計事務所　建築設計共同企業体
03 シャッフルされた境界面としてのグリーン＋ステンレスルーバー
　Ｚ５８／隈研吾建築都市設計事務所
04 自然を拝借し、里山へ還すための環境ルーバー
　洞爺湖サミット国際メディアセンター／日本設計　環境負荷低減技術支援：竹中工務店
05 超高層の足元を飾る緑の駐輪場
　新丸の内ビルディング／三菱地所設計
06 貫通道路を彩るアメニティウォールと超高層頂部の壁面緑化
　日本工業倶楽部会館，三菱ＵＦＪ信託銀行本店ビル／三菱地所設計
07 乾式タイルを用いたスナゴケ緑化
　ホテルコンチネンタル府中新館／アーキテクトファイブ
08 自然の土味を生かして憩いと潤いを与える「緑化陶壁」
　アーバンネット名古屋ビル／NTT都市開発一級建築士事務所・大成建設一級建築士事務所・日総建・NTTファシリティーズ都市建築設計事務所
09 ビルの谷間に重厚な大地を呼び込む
　毎日インテシオ／日建設計　ランドスケープ：鳳コンサルタント環境デザイン研究所
10 既存建物を利用して，校舎に「緑の軸」を形成する
　下北沢成徳高等学校／大成建設一級建築士事務所
11 山並みに調和する巨大ドームの湾曲面緑化
　兵庫県三木総合防災公園ビーンズドーム／遠藤秀平建築研究所

■特集２　
アーバン・スモール・ハウジング　―建築の計画とディテール
聞き手―鈴木成文
ますます過疎化する状況の中で、都市に住まう人々に良好な建築環境を提案していく作業は、現代の建築家にとって重要なテーマの一つであろう。この特集では、よりよい住まいを目指す人々と建築家とが織りなすプロセスを建築の計画という面から、さらに計画をお可能とするハードな要素としてのディテールについて、四つの実例を採り上げて詳細に紹介する。

［事例4作品］
01 空間とのかかわりから個を顕す
　グレインズ・シモメグロ／小嶋一浩＋赤松佳珠子/CAt
02 公営住宅が街の風景に同化する
　芦屋市営若宮町住宅／江川直樹/現代計画研究所・大阪
03 蛍舞う里山を都心に拓く
　apartment鶉／泉幸甫/泉幸甫建築研究所
04 時が重なり心地よさを増幅する
　箕面スワローハイツ／遠藤剛生/遠藤剛生建築設計事務所

■小特集　
ドレスをまとった美しいシルエット　―新世代超高層の出現
・モード学園スパイラルタワーズ／日建設計

■連載　
・内田祥哉　三題噺
　第13話　「屏風」「織物」「金の鯱」
・建築家と町工場の可能性――量を担った技術を考える
　第3回　建築家と「エンプラ加工」　―内田祥士
・リレー連載／建築アーカイブズ
　第14回　建築資料公開の時代に向けて　―中原まり

■コラム
・ディテールの世界風景　エルサレムに実現した優美かつ唯一の「瓶の蓋」：安田幸一
・ディテールの種子　フォークロアな細部：野田俊太郎
・納まり－基本の「き」　軒先の水処理：真鍋恒博
・世界遺産のディテール　仏塔探訪：杉本賢司

■今日のディテール　
・地場産の杉湾曲集成材から生み出されるハイブリッド構造
　日向市駅／内藤廣建築設計事務所，九州旅客鉄道・交建設計
・端正な高層部と緑のプレートの対比が生む凛とした空気感
　相模女子大学マーガレット本館／日本設計
・新鮮な表情を与える体育館外壁
　相模女子大学体育館／日本設計
・ＬＥＤ照明を使った薄くてシンプルなサイン計画
　JEWEL BOX GINZA／竹中工務店
・開閉できるアルミ格子のファサード
　森のとなり（武蔵小山の長屋）／武井誠＋鍋島千絵/TNA
・目地を消したペンシルビルの外壁
　汐留ＭＫタワー／大成建設一級建築士事務所
・光と視線を制御するガラスクロス可動ルーバー
　コンカード博多／久米設計
・客室重視ビジネスホテルの透明バスルーム
　ＴＸ秋葉原阪急ビル／大成建設一級建築士事務所
・補強コンクリートブロック造長屋の透明バスルーム
　Hi-ROOMS 明大前A　線路際の長屋／若松均建築設計事務所
・敷地境界ぎりぎりに建つ築48年の名建築を耐震改修
　日本大学理工学部駿河台校舎５号館／清水建設一級建築士事務所