彰国社

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五感を刺激する環境デザイン

デンマークのユニバーサルデザイン事例に学ぶ

田中直人・保志場国夫 著

四六・214頁

定価2,420円(本体2,200円+税)

ISBN:4-395-00683-3

2002年06月

わが国でも本格的な高齢社会を控えて、子供から高齢者まで「すべての人」が暮らしやすい生活環境の整備が求められています。本書は、福祉先進国デンマークの事例に学んで、わが国の実情にあった生活環境の構築をめざすために編まれたものです。特に人間の五感に注目し、建築や環境デザインに生かされた、豊富な事例や考え方を紹介するとともに、わが国のユニバーサルデザインのあり方を示唆した書です。

[目次]
はじめに
第1章 感覚刺激から建築空間を考える

第2章 五感を刺激するデザイン手法
1 仕組まれた微かな刺激のデザイン
① 反響音のデザイン/② 足ざわりとブナの振動/③ 多様な床材を使う/④ ムクリとたわみのデザイン/⑤ 薄ら明かりのデザイン/⑥ 葉音のデザイン
2 潜在能力を引き出す自然を感じるデザイン
① 大地を感じるデザイン/② 五感を刺激する庭/③ 車いすのまま海に入れる桟橋/④ 感覚の潜在能力を回復する仕掛け
3 わかりやすさのデザイン
① 定位感をサポートするデザイン/② 色彩のデザイン/③ 設備類に配慇したデザイン
4 アクセシビリティが生む新しいデザイン
① 段差解消の特徴を引き出すデザイン/② 装置的解決/③ 介助者に配慮したデザイン/④ パプリックスペースのデザイン
5 建築の価値を大切にするデザイン
① 建物の歴史的価値を尊重した博物館/② 作品性を残す改修
6 コミュニケーションのデザイン
① 高齢者用賃貸住宅のデザイン/② 子どもたちの遊び場/③ 芸術家とのコラボレーション
7 環境と共生するデザイン
① 外部空間とつながるデザイン/② 地形に沿ったデザイン/③ 周辺環境との調和/④ 場所性を尊重するルール/⑤ 自然素材

第3章 デンマークの建築家が考えるユニバーサルデザイン
ヨハネス・エクスナー(Johannes Exner)
ヴェルヘルッム・ウォラート(Vilhelm Wohlert)
ペーダー・ドュールンド・モーテンセン(Peder Duclund Mortensen)
ポール・ウスターゴード(Poul stergaard)
ペーター・ティール・エリクセン(Peter Theill Eriksen)

第4章 わが国における状況と展望
1 福祉のまちづくりとユニバーサルデザインの取り組み
① 開発と福祉/② 福祉のまちづくりの現状と課題/③ バリアフリーデザインからユニバーサルデザインヘ
2 建築家、そして行政の意識
① バリアフリーとユニバーサルデザインに対する建築家の認識

第5章 これからのユニバーサルデザインのあり方
1 新たなユニバーサルデザインをめざして
2 七つのキーワード
① やさしいコミュニケーションとデザイン/② 美しさが最俊先/③ 感覚刺激のデザイン/④ インテリアとアート/⑤ 健康と素材とエコロジー/⑥ 地域・外部空間との融合/⑦ 新しいデザインヘの挑戦

おわりに

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