間取り百年
生活の知恵に学ぶ
吉田桂二 著
四六・200頁
定価1,980円(本体1,800円+税)
ISBN:4-395-00696-5
2004年01月
生活とその反映である間取りの、明治中期から現在までの100年の変遷を図と絵でたどる本。建築家として住まいづくりに携わってきた著者の実体験と知見に基づいて書き綴られた。本当の豊かさを考え直す好著。
[目次]
まえがき
年表/間取り百年
1 明治中期から末期まで―1900~1912
●間取りの100年は民家の時代から始まる/●普通の人は家を建てなかった時代/●古河藩の家老が住んだ武家屋敷/●巨大な屋敷構えの大庄屋の家
2 大正の全期―1912~1926
●町屋は「しもたや」が生業のため、使いこなされる家であった/●大都市に自力で建て始めた一戸建純住宅/●鉄筋コンクリート造のアパートの出現/●農家は民家の時代が続いていた
3 昭和元年から20年まで―1926~1945
●長屋住まいの都市生活者が急増/●その頃建てられていた東京の一戸建純住宅/●郊外住宅地の商店街と小さい店舗住宅/●昭和16年になってさえ、四国の山間部では民家が建てられていた
4 原点生活の時代―1945~1950
●衣食住のすべてを失ったところから戦後日本が始まった/●東京での過密居住と生活物資不足のありさま/●東京の郊外住宅の様相
5 台所革命の時代―1950~1960
●家庭電化製品の大衆的需要の拡大が住宅改変の扉を開く/●その頃の住宅あれこれ/●農家では生活改善としてのDK化が進行した
6 建築家たちの小住宅時代―1950~1955
●「これからの住まい」を求めた建築家たちの試み/●これからの住まいに求められる指標の提案/●建築家達の小住宅時代は短かったが、新しい時代を拓くための先駆となった
7 住宅産業化の時代―1955~1980
●「工業化立国」の住宅版、住宅の機械工業生産化始まる/●その頃、勧銀ハウジングセンターで建てた住宅の七戸/●小住宅時代から14年かけて、住みながら建て替えていった例/●店舗併用住宅と地方での住宅の姿/●小住宅が若い建築家の登竜門となった
8 ハウスメーカーの時代ー1975~1980
●住宅産業化の進行は住宅の既製品化を招来した/●注文住宅を建てる需要者の意識の変化と職人技術の空洞化/●ハウスメーカーの建てた家の五例/●アメリカ型住宅である輸入住宅が建ちはじめた/●木造住宅の三階建が始まる/●人口の高齢化で増える高齢単身者居住
9 町への視点―1980~1990
●「二世帯住宅」の出現/●町並み保存運動が広範化してくる
10 民家再生の登場―1990~2000
●町並み保存が波及した単体保存として
11 環境保全の時代ヘ―2000~
●自然素材を使った健康住宅への転換が始まる/●機械生産化された住宅を告発する5つの大罪/●生活のエコロジー化がなければ環境保全の時代は来ない
-
■紙の本を購入
-
■デジタル版を購入