彰国社

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雨仕舞のしくみ

基本と応用

石川廣三 著

四六・244頁

定価2,750円(本体2,500円+税)

ISBN:4-395-00757-0

2004年05月

便利な防水材のなかった昔から、工匠たちは雨水処理の工夫を屋根と壁に凝らしてきた。これが雨仕舞である。この知恵を、科学的根拠で裏づけながら紹介する。雨仕舞の原理を理解し、設計に役立てるための本。

[目次]
まえがき
1 雨仕舞とは
1-1 雨仕舞と防水の違い/1-2 雨漏りはなぜ繰り返されるか?

2 雨の降り方を知る
2-1 雨を知るということ/2-2 降雨の地域性と建築/2-3 雨量と降雨強度/2-4 driving rain/2-5 屋根面に当たる雨/2-6 壁面に当たる雨/2-7 風雨の同時性

3 水はどう流れるかを知る
3-1 雨仕舞で扱う流れ/3-2 部材表面の流れ/1 流れの性状/2 流れをもたらすカ/3 層流と乱流/4 流層厚と流速/3-3 隙間の流れ/1 建物に存在する隙間の形状/2 隙間の流れの状態/3 流れをもたらすカ/4 ひび割れ内部の流れ

4 雨がかりを減らす
4-1 雨がかりなければ雨漏りなし/4-2 雨がかりの要因/4-3 軒、庇の雨がかりを防ぐ効果/1 雨がかり遮蔽角/2 突出部の濡れ保護範囲/3 軒下壁面の濡れ頻度と雨量/4-4 雨水の集中を避ける/4-5 跳ね返り雨水の影響

5 水を切る
5-1 水切りとは/S-2 水切りを設ける位置と効用/5-3 水切りの部材と形態/5-4 水切りの所要寸法/5-5 水切り下の壁面の濡れ方

6 水を返す
6-1 水返しとは/6-2 水平部材の隙間の水返しー立上り/1 立上りの諸形態/2 隙間の水の状態と立上りの有効性/3 立上り上端の折返しの効果/6-3 水平部材面の水返し/6-4 垂直部材面の水返し/1 斜め溝形水返しの水処理性/2 凹凸のない水返し/3 縦目地隅角部の雨水の回込み

7 水を殺(そ)ぐ
7-1 水を殺ぐとはそ/7-2 迷路/7-3 毛細管を絶つ/7-4 等圧設計/1 等圧設計の基礎概念/2 接合部の等圧設計(等圧目地)/3 クラッディングの等圧設計

8 水を導く
8-1 導水とは/8-2 導水の効用/8-3 導水の基本技術/1 導水に用いる部材/2 導水部材の設計と配置/8.4 導水による雨仕舞/1 草葺き屋根表層部における雨水処理/2 導水シ—卜の各種用法/8-5 導水は両刃の剣?

9 水を抜く
9-1 水抜きの必要性/9-2 水抜きの急所/1 雨水を溜めないように抜く/2 雨水を落としてから抜く/3 結露水の処理/9-3 水抜き孔の排水能力/9-4 水をどこへ抜くか?ー排水経路の計画/9-5 水抜きパイプの有効性/9-6 しぶき止め

10 良い雨仕舞を実現するために
10-1 伝統に学ぶ/10-2 経験を生かす/10-3 フェイル・セーフ(故障しても安全な)設計
参考文献
あとがき

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