
箱の産業
プレハブ住宅技術者たちの証言
松村秀一・佐藤考一・森田芳朗・江口亨・権藤智之 編著
四六・272頁
定価2,530円(本体2,300円+税)
ISBN:978-4-395-32001-1
2013年11月
日本のプレハブ住宅は今から半世紀ほど前、1960年ごろに産声を上げた。高度経済成長の追い風に乗り、あれよあれよという間に住宅産業の大きな一角を占めるにいたった。本書は、プレハブ住宅という「箱の産業」に青春を賭けたパイオニアたちの証言でつづるオーラルヒストリーである。
デパートの屋上に「勉強部屋」として知られることとなったプレハブ住宅は、小家族の夢の箱、さらには二世帯住宅の箱へとさまざまな変化を遂げていくが、それを実現させた舞台裏を、当時の若き技術者たちの証言で明らかにする。
本書には、8つの主要プレハブ住宅メーカーの技術者たちの証言を収録した。プレハブ住宅を実現させたのは、技術の限界、法規の壁を乗り越えていった技術者たちのスピリットである──こんな熱い息吹を今に伝えるヒューマンドキュメント。
[目次]
はじめに 日本の住宅産業とプレハブ住宅 松村秀一
証言1 勉強部屋からのスタート
大和ハウス工業(ミゼットハウス、ダイワハウスA型)
1回目=吉村義治+東郷武+木村宗光
2回目=岩崎良昭+大内照明
論考1 初期プレハブ住宅はいま 森田芳朗
証言2 化学メーカーの挑戦
積水ハウス(セキスイハウスA型、B型) 福井佑吉+石本德三郎
論考2 石本ノートに見る商品開発の舞台裏 江口亨
証言3 工務店にお分けするシステム
パナホーム(松下1号型) 小林昭夫
証言4 学生の夢が形に
ミサワホーム(ミサワホームフリーサイズ) 加藤善也+野溝智彦
論考3 プレハブ住宅と公庫融資制度 佐藤考一
証言5 新建材を活かす執念
旭化成(ヘーベルハウスD・Eシリーズ) 佐藤克彦+佐久間弘 152
証言6 若手建築家との出会い
積水化学工業(セキスイハイムM1) 金子昌平
証言7 自動車開発チームによる住宅
トヨタホーム(トヨタホームJA型) 河合善和+伊藤修
証言8 木質系プレハブからツーバイフォーへ
永大産業(永大産業ED工法) 阿部市郎
論考4 アフリカに渡ったプレハブ住宅 権藤智之
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