彰国社

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建築—新しい仕事のかたち

箱の産業から場の産業へ

松村秀一 著

四六・160頁

定価1,760円(本体1,600円+税)

ISBN:978-4-395-32006-6

2013年12月

従来のスクラップ・アンド・ビルドの「箱の産業」ではなく、利用の構想力が試される「場の産業」への転換という立場に立ち、すでに動きだし、着実に成果を上げている人たちへのヒアリングを交えて、建築の「新しい仕事のかたち」を具体的に描き出す。建築が新たに建てられなくても、建築にかかわる仕事はむしろ増えている、そうした力強いメッセージ。

[目次]
はじめに 建築、新しい仕事のかたちを考える時
建築という分野の可能性についての確信╱仕事としての建築の転機╱新しい仕事のかたちを探る

1章 生活する場から発想する─利用の構想力─
1 箱の経年と場としての再生
アーツ千代田3331に通う╱場を求める人々が「利用の構想力」でコトを起こす╱
場としての行き詰まりからコトが起こる
2 生活のためのデザイン
建築デザインから新しい仕事のかたちへの移行╱イームズ夫妻に学ぶ
3 まちの生活を観察し考える
そこに住む、そこに拠点を置く╱まちの人の話を聞き観察する
4 利用の構想力を刺激し導入する
新しい仕事のきっかけとしての利用の構想力╱「自分でやる」を支える設定と環境
5 利用の構想力を組織化する
「ないから建てたい」から「あるけど何とかしたい」へ╱
ニューヨークSOHO地区で起こった組織化

2章 空間資源を発見する 
1 空間資源の時代
1999年「生活空間倍増戦略プラン」╱箱の産業は何のために頑張ってきたのか╱
空間資源としてストックを見直すこと
2 まちなかの空間資源とそのネットワーク
空き家という空間資源╱空きビルとそのネットワークが可能にすること╱
空間資源のオーナーに働きかけること
3 まとまった空間資源
まちの歴史とともにある商店街と問屋街╱今では実現できない空間資源としての団地

3章 空間資源の短所を補い長所を伸ばす
1 価値の再生、状況の再生を目指す
捨てられた住宅地の再生に学ぶ╱新築ではできないことが実現できる
2 空間資源の長所
機能主義でないからこその面白さ╱再現できない空間資源の質╱
人のアイデンティティとの関わり
3 空間資源の短所
建築病理学の必要性╱今日の要求水準への適合① 既存不適格部分╱
今日の要求水準への適合② 性能と設備
4 当意即妙の実行力
箱の中身のすべてはわからない╱現場の担い手の育成

4章 空間資源を「場」化する
1 箱の産業と場の産業の本質的な違い
コンテンツ産業であるということ╱まちあるいはエリアが対象だということ
2 場を成立させる人と組織
拠点と主╱利用者の組織化、オーナーの組織化
3 場に纏わる関係のデザイン
人と人との関係╱人と体験との関係

5章 人と場を出会わせる
1 まちで出会う
「門前暮らしのすすめ」に学ぶ╱まちで場と出会った人々
2 メディアで出会う
二つの代表例╱ネットワーク環境が可能にしたこと
3 新たな不動産流通
プロセスの共有感を生み出す流通╱流通における付加価値としての評価╱まちの管理・経営へ

6章 経済活動の中に埋め込む
1 生活者の組織化とスモールビジネスの集積
生活者のニッチ市場╱まち空間での集積の効果
2 職域のクロスオーバーから生まれる付加価値
多能工の難しさに学ぶ╱不動産と建築の連携とプロジェクトマネジメント
3 まちで暮らすことが仕事
〈自身の仕事〉の拡張╱まち社会の一員として位置づくこと

おわりに 自然に体が動き出した人々に学ぶ 

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