彰国社

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前川さん、すべて自邸でやってたんですね

前川國男のアイデンティティー

中田準一 著

四六・196頁

定価2,090円(本体1,900円+税)

ISBN:978-4-395-32040-0

2015年05月

著者は、日本のモダニズム建築を牽引した建築家・前川國男の晩年に間に合った所員であり、前川没後に、前川の最初の自邸「旧前川邸」を「江戸東京たてもの園」に再建する際には事務所の責任者として指揮をとった。本書は、仕事の折々に前川國男が漏らした含みのある言葉に込めた意味が、初期の作品「旧前川邸」に凝縮していたという著者の発見を紹介する。高度成長期の真只中でも建築を取り巻く社会構造の危うさを憂慮し、警告を発し、闘い続けた前川が晩年に漏らしたインフォーマルな言葉は、現代の困難な状況の中でも社会のためによい建築をつくろうとするすべての人に、共感と勇気を与えてくれる。
巻末に、著者による前川國男作品系統図を掲載。従来の前川論とは異なる作品の類別を提示している。

[目次]
まえがき

第1章 前川さんの家
前川さんの家/ケヤキ・北入り・アプローチ/設計担当者 崎谷小三郎/織り込まれていた移築/江戸東京たてもの園に再建/部材が語る変遷履歴

第2章 前川さんのお言葉
建物が敷地を選ぶ/ムーブマンがないね/建築には演出が必要だ/斜め屋根では、かないっこない/バフラな空間/プランが落ち着けばアプローチが定まる/身の丈に合う/居心地の良さ/食べるところにこだわりなさい/無言で素通り/君なら10年もつ/花はなぜ美しいか

第3章 前川邸を探検しよう
心を静める道程/主人と使用人の部屋の設えは変わらない/モダニストの瓦(ザッハリッヒカイト)/大扉に隠された意図/木のレール/見慣れないドアノブ/雨戸を開けてみよう/下駄箱を探してみよう/大きなラジエター/小扉を利かせる/ワンちゃんのために/棟持ち柱の伝説/納めるところが空間を生かす/時間を取り込む/仕上げの種類は少ないほどよい/驚いたトイレの色使い

第4章 前川事務所の仕事のしかた
設計は二者択一の繰返し/建築という虚構を支える細部/設計事務所のチームづくり/色は建築家が決める/プロトタイプを考えなさい/月夜のカニ/第三者であり続けるために/素人を数字でごまかすな/社会からいただいたものは社会にお返しする/風が通る空間/前川さんのアリア/きれいに年を重ねるのは難しいね

折込み 前川國男作品系統図

あとがき

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