
木のヨーロッパ
建築とまち歩きの事典
太田邦夫 著
A4変・254頁・上製箱入り
定価11,000円(本体10,000円+税)
ISBN:978-4-395-32044-8
2015年11月
本書は、著者が木造建築の研究者として半世紀にわたり研鑽を重ねてきたライフワークの結晶。積年にわたるヨーロッパ全土に及ぶ実地踏査や「木造建築研究フォラム」の9次にも及んだ研修旅行などでの見聞が、本書の基底を成している。
建築家でもある著者が案内する「木のヨーロッパ」への旅は、世界遺産級の教会建築から生活感あふれる街なみや素朴な民家にいたる広範な建物を対象として、その実態を詳細に描いた透視図などの図版や数々のカラー写真を配しながら、19か国をまたぐ12のコースで展開されている。
それに加えて、木造建築の分布、植生や気候・風土、民族、言語、宗教など、文化や歴史的背景までを地図上で図解した旅の準備編、そして36か国に及ぶ関係図版を細密に書き起こして収録した資料編や索引などを相互に結んで、学術的資料にまでたどりつける事典としての機能も付与されている。
ヨーロッパを一つの「木の文化」の視点でまとめあげた世界初の楽しい旅行ガイドであると同時に、われわれ人間の生活環境を考えていくうえでの示唆に富んだ貴重な著作でもある。
構成は、1.旅の準備編、2.旅編、3.旅の参考資料編から成り、これを見ていると旅行に行かない人でも「木のヨーロッパ」の魅力に引き込まれていく。
詳しくはリーフレット(PDF)をご参照ください。
[目次]
旅の準備編 旅を楽しくするための8つのポイント
1 木造建築の分布 その伝統的基盤
2 気候と建築 日本との違い
3 植生の分布 森林の歴史と開発
4 土地利用の形態 その多様性と建築
5 民族的な背景 言語と習慣
6 宗教の分布 教会とその装飾
7 建物の探し方 野外博物館と街並
8 旅の実践 地域とコースの選び方
旅編 おすすめ12 のルート
1 イギリス
ハーフティンバー様式の街並と木造ホテル
2 フランス
ノルマンディー地方とブルターニュ地方の港町
3 フランス、スペイン
フランス南西部とスペイン・バスク地方の村と町
4 ドイツ、フランス
シュヴァーベン地方とアルザス地方の街並
5 スイス、オーストリア
アルプス山地の木造建築とその集落
6 ドイツ
ヘッセン、ニーダーザクセン、ハルツ、テューリンゲン地方の街並
7 ノルウェー、ドイツ、デンマーク
木造スターヴ教会と北海沿岸の街並
8 フィンランド、エストニア、ロシア
バルト海沿岸諸国とカレリア地方のムラと街
9 ポーランド、スロヴァキア
カルパチア山地の木造教会
10 ハンガリー、オーストリア 、ドイツ
オーストリア中央部とパンノニア平原の村と町
11 ルーマニア、ウクライナ
トランシルヴァニア地方とワラキア地方の木造教会と街並
12 ブルガリア
バルカン山地と黒海沿岸の村と町
コラム
街並を眺める
ラヴェナム、ホホウフ、コルマール、ヴルコリーネツ、ツェレ、ネルトリンゲン
民家園に行こう!
大きい民家園、小さな民家園、楽しく遊べる民家園
旅の参考資料編
木造建築の分布(立面図)
屋根の形
屋根と壁の仕上げ
構造部材の名称
小屋組の種類
木造軸組1
木造軸組2
住宅の平面構成 農村部
住宅の平面構成 都市部
インテリア
窓
扉と門
教会の種類
納屋と穀倉
細部の装飾
大工道具
建築用の樹木
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