
アーバン・カタリスト
実践・都市再編集の現場から
藍谷鋼一郎 著
B5・230頁
定価3,740円(本体3,400円+税)
ISBN:978-4-395-32099-8
2018年01月
中心市街地の活性化で、もっとも注目されている手法が、建築の投入、地域資源の再整備などといった「アーバン・カタリスト」によって連鎖的な動きをつくり出すものである。これを、著者は「編集型デザイン」と呼ぶ。本書では、キーパーソン、現地に取材し、英米と日本の地方都市の動きを同時に取り上げ、従来型の都市再生の組み替えを提案する。
[目次]
はじめに
序章 都市を編集する
では、何故、アーバン・カタリストなのか?/成長社会から縮小社会へのパラダイムシフト/スクラップ・アンド・ビルドの盲点/都市を編集するためのアーバン・カタリストと4つの戦術/4つの戦術/保存手術(Conservative Surgery)/最小限の介入(Minimal Intervention)/都市の鍼治療(Urban Acupuncture)/都市への埋込み(Urban Inll)/戦術を実践に移す
第1章 オリンピック・レガシー(ロンドン)
はじめに 地主貴族によるまちづくり/エンタープライズ・ゾーンを契機にロンドン東部地区への開発が始まる/ロンドン最貧地区への投機=ブラウン・フィールドからスポーツ・パークへ/▼キーパーソンに聞く ボブ・アライズ/メディアを駆使したコンパクト・オリンピック/オリンピックによる都市「オリンピコポリス」/カタリスト的視点
第2章 アイデア・ストア(大ロンドン市タワーハムレッツ区)
はじめに 移民が過半数を占めるタワーハムレッツ区/▼キーパーソンに聞く セルジオ・ドグリアーニ/住民のニーズを集約 図書館とラーニングセンター融合/ショッピングとラーニングによる戦略的配置/教育による都市再生/デイビッド・アジャイによる2つのアイデア・ストア/まちに現れた波及効果/カタリスト的視点
第3章 ハイライン( ニューヨーク)
はじめに グリッド都市ニューヨーク/高架貨物線跡を空中庭園へ│産業遺産の発掘/フレンズ・オブ・ハイライン/1枚の写真/パリ―「プロムナード・プランテ」に学ぶ/アート・ギャラリーが立ち並ぶウエスト・チェルシー地区/最新ファッションの発信地 ミートパッキング地区/ハイラインとザ・スタンダード・ホテル/▼キーパーソンに聞く マシュー・ジョンソン/▼キーパーソンに聞く トッド・シュリーマン/用途規制の変更「ゾーニング」/まちに現れた波及効果/カタリスト的視点/まとめ
第4章 十和田市現代美術館(青森県十和田市)
はじめに 官庁街通り(駒街道)を中心とする都市形成/街の衰退/アートによるまちおこし/明快なコンセプト 美術館をまちに開放する/▼キーパーソンに聞く 藤 浩志/まちに現れた波及効果―観光客の増加/世界水準の建築の出現―隈研吾による市民交流プラザと安藤忠雄による教育プラザ/残された課題
第5章 新町川(徳島)
はじめに 徳島の成り立ち/中心市街地の衰退/▼キーパーソンに聞く 中村英雄/新町川の再生がまちに人を呼び戻す 新町川水際公園としんまちボードウォーク/新町川を舞台にまちづくりコミュニティが形成される イベントによるまちなか回帰/まちに現れた波及効果/カタリスト的視点
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