彰国社

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創業80周年に向けて、復刻版11冊刊行

弊社は2012年6月で創業80周年を迎えます。これを記念して、これまでに刊行した本の中から、いまでも読者から問い合わせのある本や、いまだからこそもう一度読んでほしい本を、折にふれて復刻してきました。

『現代建築愚作論』(八田利也 著、初版発行1961年)
『行動建築論 メタボリズムの美学』(黒川紀章 著、初版発行1967年)
『代謝建築論 か・かた・かたち』(菊竹清則 著、初版発行1969年)
『人間と建築』(丹下健三 著、初版発行1970年)
『建築と都市』(丹下健三 著、初版発行1970年)
『日本の広場』(都市デザイン研究体 編著、建築文化1971年8月号特集)
『現代建築用語録』(宮脇檀・コンペイトウ 著、初版発行1971年)
『日本建築宣言文集』(藤井正一郎・山口廣 著、初版発行1973年)
『本瓦葺の技術』(太田博太郎 監修・井上新太郎 著、初版発行1974年)
『続・現代建築用語録』(宮脇檀・井出建・松山巌 著、初版発行1978年)
『建築写真文庫』(1953年―1970年発行の建築写真文庫のうち79冊を都築響一が1冊に再編集)

上記の復刻版11冊の初版発行は、改めて見直すと、おおむね1960年代半ばから1970年代半ばに収まります。日本が戦後の混乱から立ち直り、民主主義という新しい思想のもとで建築や都市のヴィジョンを描こうとしていた時代です。1964年に東京オリンピックがあり、1970年には大阪万博がありました。今回復刻した本には、多少なりともそういう時代の志が行間に垣間見られるように思います。
2011年3月11日、不幸にも東日本大震災が起き、津波と福島原発からの放射能漏れが重なり、日本人は大きな時代の岐路に立たされているように思います。これからのまちや建築や都市はどうあるべきか、議論が続けられています。
復刻版は弊社の創業80周年に向けて刊行したものではありますが、40年前、50年前、人は何を考えていたのかを再認識することは、これからの日本の社会を考える上でも大事なことではないでしょうか。これらの復刻版のうち1冊でも2冊でも、3.11以後の建築や都市の方向にヒントを与えるものがあれば、望外の喜びです。

復刻版

現代建築愚作論

八田利也 著 B6・240頁 定価2,100円(本体2,000円)

はったりをきかせたペンネームの著者は、若き日の磯崎新、伊藤ていじ、川上秀光の3人。1961年の刊行以来、建築界に物議をかもした話題作をついに復刻。若手建築家、藤村龍至が「解説『量』から『アーキテクチャ』へ」を解題。「建築家を取り巻く問題が1961年当時と2011年現在であまりにも似過ぎていて、そのまま読んで十分に説得力があり、しかも参考になる」と、本書の現代性を深く論及している。

復刻版

行動建築論

メタボリズムの美学

黒川紀章 著 B6・304頁 定価2,310円(本体2,200円)

「建築はなくなっても、思想は生きつづける。1960年代、世界に向けて発信した黒川メタボリズムがいまふたたび問いかける、生命(いのち)の建築と都市の生命(いのち)」(南條史生 森美術館館長、復刻版の帯から)。
いま国内外で再評価が進むメタボリズムの名著の復刻版。黒川紀章33歳のときの著作。

復刻版

代謝建築論

か・かた・かたち

菊竹清訓 著 B6変・236頁 定価2,310円(本体2,200円)

設計するとはどういうことかを考え抜いた著者の『代謝建築論』の復刻版。社会的インフラを担う建築は、「か」(構想的段階)がとくに重要で、未来に対するヴィジョンが設計には必要であると力説する。

復刻版

人間と建築

デザインおぼえがき

丹下健三 著 B6・316頁 定価2,415円(本体2,300円)

1970年に刊行された丹下健三著『人間と建築 デザインおぼえがき』の復刻版。1951年から1965年までの、主に雑誌に発表した文章を収録している。建築家の職能から始まって、建築家と民衆の関わり、岡本太郎や猪熊弦一郎ら芸術家との共同作業、弥生的なものと縄文的なもの、コンクリートへの愛、設計論など話題は多岐にわたる。現代建築についての丹下健三の考え方を知る上での貴重な1冊。

復刻版

建築と都市

デザインおぼえがき

丹下健三 著 B6・232頁 定価2,310円(本体2,200円)

1970年に刊行された丹下健三著『建築と都市 デザインおぼえがき』の復刻版。都市についての、主に1960年代の論考が収録されている。この時期、日本では1964年に東京オリンピックが、1970年には大阪万博が開催され、著者はこの2つの国家的イベントに深くかかわっている。その著者がこの時期に提案したのが、政府の同心円的首都圏整備計画に対抗する「東京計画1960」と、日本列島の将来像を論じた「東海道メガロポリス」である。本書には著者が日本で創造したかった都市環境が描かれている。

復刻版

日本の広場

彰国社 編 A4変・104頁 定価2,940円(本体2,800円)

日本にはヨーロッパ的広場はないとされてきた。しかし、日本には、古くは一揆や祭り、また洗濯場や井戸、近代ではデモや集会など、自然発生的に広場が形成されてきたのではないか。本書は、そのような視点に立ち、全国を実測調査し、図面と写真でまとめたもの。『建築文化』1971年8月号特集の復刻。当時の貴重な町並み図面、写真を多数収録。

復刻版

現代建築用語録

宮脇檀・コンペイトウ 著 B6・290頁 定価2,310円(本体2,200円)

1971年刊行以来ロングセラーだった『現代建築用語録』の復刻版。建築にかかわるものが知っておくべき基礎知識の中から116のキーワードを写真・図版を織り交ぜながら解説。40年経ったいまでも決して古びない1冊。

復刻版

日本建築宣言文集

藤井正一郎・山口廣 編著 B6・416頁 定価2,940円(本体2,800円)

1原著は、明治、大正、昭和(「五期会宣言」まで)の代表的な建築の宣言や論文を、ふたりの建築史家が取捨選択して編んだもの。各時代の重要な論文が集められており、復刻を望む建築関係者の声が高かった1冊。

復刻版

本瓦葺の技術

太田博太郎 監修/井上新太郎 著 B6・296頁 定価2,730円(本体2,600円)

法隆寺の修理に長い間携わった本瓦葺の名人が、自ら体得し編み出した技法を理論的にまとめたもの。復刊を望む多くの声に応えて刊行。和風建築に携わる人には、伝統的な技術の伝承書として貴重な1冊。

復刻版

続・現代建築用語録

宮脇檀・井出建・松山巌 著 B6・278頁 定価2,310円(本体2,200円)

1978年に初版が刊行された『続・現代建築用語録』の復刻版。知っておくべき建築の基礎知識の中から83のキーワードを写真・図版を織り交ぜながら解説。『現代建築用語録』と合わせて199のキーワードはいまも新しい示唆を与えてくれる。

Showa Style

再編・建築写真文庫〈商業施設〉

都築響一 編 四六・800頁 定価5,250円(本体5,000円)

当代随一の街歩き人・都築響一が、昭和28年から45年まで145巻を刊行した『建築写真文庫』の店舗関係79巻を、再編集。原書の編集は建築家で粋人・北尾春道。昭和の息吹が甦る貴重で楽しい1冊。

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